離乳食の進め方が知りたい方へ
赤ちゃんがすくすくと育ってきて、そろそろ離乳食がはじまるけれど、初めての経験で進め方が分からないな。必要な道具やレシピがあれば、そういうものも知っておきたいな。
はじめての離乳食は不安でいっぱいですよね。この記事を読むことで、月齢ごとの離乳食の進め方と必要な道具・レシピの例が分かります。安心して離乳食をはじめてくださいね。
私は男の子の父親ですが、自分で離乳食を作って育てました。
その時参考にした本『はじめてママ&パパの離乳食』をもとに、記事を書いていきます。
たくさんのママ・パパに読まれている、すばらしい本ですよ。
離乳食の進め方の基本ルール
最初に離乳食の進め方の基本ルールを教えます。
これらは体の機能が未熟な赤ちゃんの安全と健康のために、必ず知っておくべき知識です。そのため、どのような離乳食を作る時でも必ず意識をしてください。
基本ルールは次の7つです。
- 赤ちゃんが飲み込める形に調理する
- 食材は加熱して殺菌をする
- 「油なし」「味付けなし」からスタート
- たんぱく質源食品は量と順番を守る
- 赤ちゃんにはNGな食材に注意する
- 栄養バランスのよい献立にする
赤ちゃんは噛む力や細菌に対する抵抗力が弱いです。そのため、調理する際には十分に気をつけなければいけません。
また、内蔵の機能も弱いため、油は6ヶ月、塩をはじめとした味付けは7ヶ月以降から、少しずつ取り入れます。
たんぱく質については、必要分以上に消化するのが苦手なので、順番を守って適量を食べさせましょう。
赤ちゃんにとってのNG食材とは、菌を含む「はちみつ」や、のどに詰まらせる危険がある「もち」、アレルギーの心配がある「そば」などです。新しい食材を使うときは確認をしましょう。
赤ちゃんも大人と同じで、バランス良く栄養を取り入れることが大切です。3つの食品グループ(学校で習いましたね)を組み合わせましょう。
「ごはん+野菜+乳製品」や「いも+海藻+魚」など3品作ってもいいですし、全部混ぜた、「具だくさんおじや」1品で食べてもいいですね。
毎食でなくとも、1日3食の中でバランスをとったり、2~3日でバランスをとったりできれば問題ありません。
以上の基本ルールは、はじめに頭に入れておきましょう。
月齢毎の離乳食の進め方
離乳食の進め方について、『はじめてママ&パパの離乳食』では、離乳食を4つの時期に分けています。
最初は「飲む」ことしかできない赤ちゃんが、半年~1年かけて「食べる」へと発達するからです。具体的な4つの時期は次の通りです。
- ゴックン期(5~6ヶ月ごろ)
- モグモグ期(7~8ヶ月ごろ)
- カミカミ期(9~11ヶ月)
- パクパク期(1歳~1歳6ヶ月ごろ)
発達段階の違いで離乳食の進め方が変わるので、この記事でも4つの時期それぞれについて解説していきますね。
ただし、月齢通りにできなくても心配する必要はありません。私の息子も、モグモグ期まで進めた後でも、ゴックン期のようなトロトロのものしか食べなかった時期もありました。
焦らず、赤ちゃんのペースで進めれば大丈夫です。
では、それぞれの時期について解説していきます。
ゴックン期(5~6ヶ月ごろ)の離乳食
ゴックン期の離乳食は、液体に近いなめらかさで飲みやすく調理することが大切です。
ゴックン期の赤ちゃんは、まだ噛むことができず、舌も前後にしか動かないためです。
赤ちゃんの中には、少しのざらつきやかたまりもいやがってはき出してしまう子もいます。すり鉢や裏ごし器を使って、なめらかさを調節しましょう。
はじめの方は、赤ちゃんの機嫌の良いタイミングを選んで、1日の授乳のうち1回を離乳食+授乳に変えます。その際に飲ませる順番は、離乳食→母乳やミルクです。
はき出すことも多いでしょうが、栄養は母乳やミルクからとれているため、心配しなくても大丈夫です。
特に最初の1ヶ月は、母乳やミルク以外の味に慣れ、少しでもゴックンできることを目標にしましょう。
スプーンを嫌がる子もいます。赤ちゃんの口に合ったスプーン(先が浅くて平らなもの)を用意して、赤ちゃんのペースでゆっくり食べさせましょう。
手順は次の通りです。
- スプーンで下唇をトントンとする
- 口を開けたら、下唇の上にスプーンを水平に置く
- 赤ちゃんが上唇で取り込もうとするタイミングで、スプーンを水平に引き抜く
食べさせるときは、ひざに抱っこして食べさせてあげて下さい。赤ちゃんを少し後ろに傾けてあげると、口からこぼれにくく、飲み込みやすいですよ。
ゴックン期はじめの献立例 (最初は消化吸収がよく、アレルギーの心配が無いおかゆからスタートです) ○10倍がゆ(40gのレシピ) 米に対し10倍の水を入れて炊くため、10倍がゆと言います。 水の割合を減らすことで、7倍がゆや5倍がゆができます。 【材料】米…大さじ2、水…300ml 【道具】鍋、裏ごし器、スプーン 1.鍋に洗った米と水を入れ、30分浸水させる。 2.最初は強火で煮立たせ、煮立ったら弱火にする。 ふたは少しずらして、30~40分炊く。 3.火を止め、ふたをして10~20分蒸らす。 4.裏ごし器に3を乗せ、スプーンの背で押す。
1、2日目は1さじ、3、4日目は2さじとゆっくり量を増やしましょう。米がゆに慣れたら(1週間程度)野菜に挑戦しましょう。
野菜も1さじから徐々に増やしていきます。3週目には豆腐をプラスし、1ヶ月かけて3つの栄養源に慣らしていきましょう。
ゴックン期前半の献立例 ○10倍がゆ 40g ○かぼちゃのトロトロ 【材料】かぼちゃの黄色いところ…10g 【道具】小鍋、すり鉢、すりこぎ 1.かぼちゃはゆでてすりつぶし、ゆで汁でなめらかにのばす。 ○とろみ豆腐 【材料】絹ごし豆腐…15g、だし…適量、水溶き片栗粉…少々 【道具】小鍋、すり鉢、すりこぎ 1.絹ごし豆腐をゆでてすり鉢でなめらかにし、だしでのばす。 2.小鍋に入れて火にかけ、水溶き片栗粉でとろみをつける
1ヶ月ほど経ったら、離乳食の回数を午前と午後の2回に増やします。
離乳食を取り入れる間隔を4時間以上あけることだけ気をつければ、連続であげても、間に授乳をはさんでもどちらでもかまいません。
1食あたりの量は、それまでより減らしてもいいですが、徐々に増やすようにしましょう。
飲み込むのが上手になってきたら、水分を減らしたベタベタ状のものや、少しざらつきのある食感にも挑戦しましょう。
ゴックン期後半の献立例 ○しらすのおかゆ 【材料】米…大さじ2、水…300ml、しらす干し…5g 【道具】鍋、裏ごし器、スプーン、小鍋、ざる、すり鉢、すりこぎ 1.10倍がゆを作る。 2.小鍋に湯を沸かしてしらす干しをゆでる。 3.2をざるにあけて水けをきった後、すりつぶす。 4.10倍がゆの上に3をのせる。 ○にんじんポタージュ 【材料】にんじん…10g、豆乳…大さじ1、だし…大さじ2 【道具】ピーラー、小鍋、すり鉢、すりこぎ 1.にんじんは皮をむいて、柔らかくなるまでゆでる。 2,1をすり鉢ですりつぶし、豆乳、だしを加えてなめらかにのばす。
ゴックン期のレシピについてさらに知りたければこちらもどうぞ。
モグモグ期(7~8ヶ月ごろ)の離乳食
モグモグ期の離乳食は、徐々に水分を減らし、ツブツブのみじん切りやマッシュ野菜などのメニューも取り入れます。
ゆっくりと堅さや大きさをステップアップさせていきます。
この時期の赤ちゃんは、口の中で舌を前後上下に動かし、食べ物を上あごに押しつけてつぶして食べます。
しっかりもぐもぐするために足に力を入れて踏ん張る必要があるため、食事いすに座らせて、足が床につくように調節して下さい。
離乳食の回数とタイミングは、ゴックン期後半と同じように午前午後1回ずつを守りましょう。
モグモグ期の献立例 ○5倍がゆ 80g 【材料】米…大さじ4、水…300ml 作り方は10倍がゆと同じです。 ○豆腐とほうれんそうのとろみ煮 【材料】豆腐…25g、ほうれん草…5g だし…大さじ1、水溶き片栗粉…少々 【道具】包丁、小鍋、すり鉢、すりこぎ 1.豆腐を3cm角に切る。ほうれんそう5gを柔らかくゆでてすりつぶす。 2.小鍋に1と、だしを入れて火にかけ、水溶き片栗粉でとろみをつける。 ○いちごチーズ 【材料】いちご…10g(1/2個)、カテージチーズ…大さじ1/2 【道具】フォークなど 1.いちごをフォークなどでつぶし、カテージチーズとあえる。
他のレシピはこちらから
カミカミ期(9~11ヶ月)の離乳食
カミカミ期の離乳食はいよいよ1日3回になります。それぞれ4時間以上間隔をあけて下さい。
今後は栄養のメインが離乳食になります。特に9ヶ月以降は母乳に含まれる鉄分量ががくっと減るため、鉄分豊富な食材を積極的に取り入れましょう。
これまで以上に3つの栄養源を意識して献立を考える必要がありますね。
カミカミ期の赤ちゃんは、口周りの筋肉が発達し、舌でつぶせない食べ物は歯茎でつぶして食べるようになります。これはもう大人と一緒です。
ただし、つぶす力はまだ弱いため、軽く力を入れるとつぶせる「バナナ」くらいのかたさを目安にして離乳食を作りましょう。
また、カミカミ期の赤ちゃんは手指が発達し、食べ物の温度や堅さを感じ取るようになります。
食べ物に興味を持って、「自分で食べたい」という気持ちを後押ししてあげるためにも、手づかみできるメニューを1品用意できるといいですね。
カミカミ期の献立例 ○軟飯 【材料】ごはん…100g、水…150~200ml 【道具】耐熱容器、ラップ 1.耐熱容器にごはんと水を入れて混ぜる。 2.ラップはせずに、電子レンジ(500w)で3分加熱する。 3.ラップをかけて蒸らす。 ○鶏ささみのたたき 【材料】鶏ささみ肉…15g、片栗粉…適量 【道具】包丁、小鍋 1,ささみを5mmのそぎ切りにし、片栗粉をまぶす。 2.1を熱湯で20秒ほどゆでて火を通す。 3,あら熱が取れたら、食べやすく切る。 ○かぼちゃとわかめの味噌汁 【材料】かぼちゃ…30g、乾燥わかめ…少々 だし…1/4カップ、みそ…小さじ1/4弱 【道具】包丁、小鍋 1.かぼちゃは皮とわたと種を除き、サイコロ状に切る。 わかめは水で戻し、水けをきって細かく刻む。 2.小鍋にかぼちゃ、だしを入れて中火で煮る。 かぼちゃが柔らかくなったらわかめを加え、みそをとき入れてひと煮する。
他のレシピはこちらから
【9・10・11ヶ月】お気に入り離乳食後期のレシピ【15選】
パクパク期(1歳~1歳6ヶ月ごろ)の離乳食
パクパク期の離乳食は、いろいろな食感のメニューで、1日3食+おやつ(1~2回)を食べさせるようにしましょう。
パクパク期の赤ちゃんは、口の動きが自由自在になります。しかしまだ噛む力は弱いため、発達にあった堅さ・大きさの離乳食で練習していく必要があります。
また、パクパク期の赤ちゃんはたくさんのエネルギーを必要とする反面、一度に食べられる量はそれほど多くはありませんので、足りない栄養素をおやつで補いましょう。
離乳食の堅さの目安は、スプーンで押すとつぶれる柔らかめの「肉団子」くらいです。
引き続き、手づかみ食べを多く取り入れましょう。スプーンの練習を少しずつ始めてもいいですね。
この時期の赤ちゃんは、離乳食をカラフルにしたり型で切り抜いたりすると、ますます食事に興味を持ちますよ。
パクパク期では食後のミルクは減らし、牛乳に切り替えていきましょう。卒乳する赤ちゃんも多いです。
パクパク期の献立例 ○かための軟飯 80g ○ゆで豚肉のおろしきゅうりソース 【材料】豚薄切り肉…15g、きゅうり…20g 【道具】小鍋、包丁、すり鉢、すりこぎ 1,鍋に湯を沸かし、鍋肌に泡が立ったら豚肉を入れて火を止める。 湯にくぐらせ、色が変わったら取り出す。 あら熱が取れたら7mm幅に切る。 2,きゅうりをすりおろす。 3.器に盛り、まぜながら食べさせる。 ○かぼちゃの素揚げ 【材料】かぼちゃ…35g、揚げ油…適量 【道具】包丁、フライパン 1,かぼちゃは種を除き、薄いいちょう切りにする。 2,フライパンに油を1cmくらい入れて170度に熱し、1をからっと揚げる。
パクパク期のおやつ例 ○ビスケット…男の子5枚、女の子3枚 ○牛乳…100ml
パクパク期のおやつ例 ○バナナ…1/2本 ○麦茶…子供用コップ1杯
他のレシピはこちらから
≫【1歳~1歳6ヶ月】お気に入り離乳食後期のレシピ【15選】
まとめと次のステップ
離乳食の進め方は月齢毎の発達段階に応じて、少しずつ内容を変えていくことが大切です。さらに赤ちゃんには個人差があるので、進め方通りにいかないこともあります。
しかしそんな時も焦らなくて大丈夫です!
他人と比べずに、自分の赤ちゃんの成長をじっくり手助けしてあげましょう。そして、離乳食を進めていくうちに、赤ちゃんに起きる小さな成長を、ぜひ楽しみましょう!!
今回紹介した本『はじめてママ&パパの離乳食』には、写真付きでたくさんの情報やレシピが書かれています。離乳食について失敗したくない方には、おすすめの本ですよ。
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